投稿日 : 2018.6.26 | 投稿者 : Kiwi Breeze
『絶景・秘境に息づく 世界で一番美しいペンギン図鑑』の紹介
大変魅力的で素敵な贈り物を頂きましたので紹介します。
京都大学出身の水口博也氏、長野敦氏編著のペンギンに特化した写真集です。
南極を中心に様々な場所に生息するペンギンの生き生きとした姿が収められ、彼らの歴史から、今現在抱えている問題にも触れられています。
自分はペンギンが大好きだった事がきっかけで高校時代ニュージーランドはダニーデンへ留学し(ダニーデンには絶滅危惧種のキガシラペンギンが生息していることからこの地を選びました)、
その生態だけでなく彼らを取り巻く環境にも興味を持ち、大学や大学院では環境保全について学び、研究していたという経緯があります。
ビーチまで1時間位かけて自転車で野生のペンギンを観察しに行き、ボランティア活動に参加したりもしました。
ペンギン以外にも昆虫から甲殻類まで、多くの種類の生物を研究しましたが、やはり最初に興味を持ったペンギンには特別な思い入れがあります。
太古に大陸から分離し、人間が上陸するまで独自の生態系を保ってきたニュージーランドについては、これまでも何度かお話ししてきたかと思います。
ペンギンも例外ではなく、ニュージーランドにはそこにしかいない4種の固有のペンギンが暮らしています。
しかし、人間がこの地に到達したことがきっかけで様々な哺乳類が持ち込まれ、空を飛べないペンギンも格好の餌食となり、その個体数は激減してしまいました。
ニュージーランドの国鳥のキーウィやカカポ、トゥアタラなどもそうですね。
そのため現在では、特定の島や地域から外来動物を駆除し、そこに在来種を保護し個体数を維持するプロジェクトが行われています。
自分が専攻した保全生態学はニュージーランドがまさに先駆的な取り組みを行っており、当時から市民との協働が盛んでした。
この本は「ペンギン可愛い~!」だけでなく、こういった踏み込んだ話題まで読めるので、とても読み応えのある一冊でした。
もちろん、その可愛らしさ、力強さを目で楽しむ読み方もアリ!ですけどね。
ニュージーランドに暮らすペンギンについて執筆されている長野氏は、会社員として働きながら野生生物の写真を撮り続けている方です。
僕も今はペンギンから遠ざかった生活をしていますが、これからも何らかの形では関わっていきたいと常々思っています。
そんな気持ちを改めて抱かせてくれるきっかけになりました。
ニュージーランドへ行かれた事のある方、もしかしたら観光でペンギンの保護地区にも足を運ばれた方がいらっしゃるかもしれません。
そんな皆さんには是非。また、まだ実際には目にした事がない方にも、手に取ってみて頂きたい一冊です。
この一冊がきっかけでニュージーランドへ行ってみたい!と思われる方が少しでも増えたら、自分もとても嬉しいです。
ではでは
熊木