投稿日 : 2018.2.28 | 投稿者 : Kiwi Breeze
12年前のヴィンテージ、トリニティー・ヒル オマージュ シラー2006テイスティングレポート
こんにちは。
先日、トリニティー・ヒル(Trinity Hill)の オマージュ(Homage)シラー2006を開けました。
こちらは、2007年のエアーニュージーランド ワインアワードでチャンピオンとなったワインで、熊木がセラーに保管していたものです。
実は先日、この前年の2006年にチャンピオンとなった、デルタ・ヴィンヤードのピノ・ノワールを飲みまして、それを記事にさせていただいたのですが、その第2弾として2007年のトリニティー・ヒルのワインをあけたわけです。
デルタの記事はこちらです。
改めて、こちらの賞について説明させていただきますと、エアーニュージーランド(ニュージーランド航空)では、毎年多数作られるワインの中から、1本チャンピオンワインを選出し、表彰します。
この賞を取ることは、ニュージーランドのワインメーカーにとって大変名誉であり、多くの関係者が目標としているものです。
さて、2007年にチャンピオンとなったトリニティー・ヒルというワイナリーは、世界的にも数多くの賞を受賞し、専門家や著名人からも大変評価の高い、高級ブティックワイナリーです。
特に「オマージュ」は、トリニティーヒルいわく「Best of best」のワインで、最高のブドウ、最高のワインが作られた年だけリリースされるシリーズです。
そのため、生産本数自体も非常に数が限られている、希少なワインです。
かのスティーブン・スピルバーグ監督がこのワインのファンで、どうしても飲みたいために、直接ワイナリーに電話して取寄せたという逸話もあるほどです。
先日のデルタ・ヴィンヤードの際に、ニュージーランドワインのヴィンテージ熟成の十二分なポテンシャルが証明されたわけですが、果たしてこちらのトリニティー・ヒルはいかに・・
グラスに注ぐと、真っ黒な色合いにびっくりしました。
ブラックベリー、カシス、プラム、土の香り、森の下生え、そういった複雑な香りが漂ってきます。
口に含むと、コショウのようなスパイシー感と、ブラックチョコレートの香り、そして、深いオーク樽の熟成のスモークが口の中いっぱいに広がります。
しかし、少し硬い。
まだ眠っていて開いていないようです。
少しずつ手でゆっくりと暖め、グラスを回しながら開いていきます。
ボトルに残っていたワインも、カラフェに移し、開かせていきます。
頃合いでもう一度香りを嗅ぐと、先ほどよりも、もっと強烈なスパイス感が立ち上ってきました。
口に含むと、びっくりするくらいインパクトの強いスパイス。フルボディーでありながらも、スパイス、香り、スモーク、果実味、苦味、それらが複雑に絡み合う、繊細なシラーでした。
これが熟成によって生まれたのか、はたまた2007年当時からこのような味わいだったのか・・
2007年当時のテイスティングノートを読むと、同じように強いスパイスや複雑味が特徴だと書かれていますので、それがさらにやわらかく丸まって、ひとまとまりになったのかなと感じました。
うまみの醸成、経年による熟成は、デルタのピノ・ノワールの方が上かなという印象でしたが、2007年のオマージュ
シラーも、非常にふくよかで複雑なスパイスを楽しむことができ、今回も贅沢なヴィンテージを味わうことができました。
ヴィンテージ探求は本当に面白いですし、勉強になりますね。
我妻
タグ : エアーニュージーランド, トリニティー・ヒル, ニュージーランドワイン