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投稿日 : 2017.11.2 | 投稿者 : Kiwi Breeze

ゲオルグ・リーデル氏講師による“ピノ・ノワールグラステイスティング・セミナー”

ゲオルグ・リーデル氏講師による“ピノ・ノワールグラステイスティング・セミナー”

おはようございます。

昨日はワイングラスメーカーとして有名な「リーデル社」の10代目、ゲオルグ・リーデル氏による“ピノ・ノワールグラステイスティング・セミナー”に参加してきました。

リーデル氏が来日しての貴重なセミナーということもあり、120席はあっという間に満席となったそうです。

彼は非常に優しく紳士的で、さすがは300年間、11代続く(会社経営は、既に息子さんが継いでおられます)名家の経営者、という気品がただよっていました。

会がスタートすると、少しだけリーデル社の歴史についてお話されました。

リーデルの基本理念は、「飲み物の個性がグラスの形を決定する」。
1950年代後半に、ゲオルグさんのお父様、9代目クラウス・リーデル氏が、世界で初めてブドウ品種に合ったグラス形状というコンセプトを考え、ワイングラスの世界に導入したそうです。

今ではワインの品種によってグラスを変えるというのは当たり前になりましたが、“ワインの個性を引き出すグラス”というコンセプトは非常に斬新的だったといいます。

今回のセミナーでは、フランス・ブルゴーニュ、アメリカ・オレゴン、ニュージーランドというピノ・ノワールの有名な生産地から、以下の3本のワインが題材として取り上げられました。

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1.メゾン・ジョセフ・ドルアン「ジュヴレイ・シャンベルタン2013」(右)
2.ドメーヌ・ドルアン「オレゴン ピノ・ノワール2014」(真ん中)
3.マトゥア「ランド・アンド・レジェンド・ピノ・ノワール2015」(左)

そして、使ったグラスは5種類。

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① <リーデル・ヴェリタス レストラン>シリーズの「ニューワールド・ピノ・ノワール」グラス
② <エクストリーム レストラン>シリーズの「セントラル・オタゴ・ピノ・ノワール」グラス
③ <リーデル レストラン>シリーズの「ピノ・ノワール」グラス
④ <エクストリーム・レストラン>シリーズの「ピノ・ノワール」グラス
⑤ <XL レストラン>シリーズの「カベルネ」グラス

すべてのグラスは、単なるデザインや見た目でカーブさせていたり、形状を決めているのではなく、100%機能を考えて作られているそうです。

⑤のグラスは違いを大きく感じてもらうために入れたそうですが、リーデル氏いわく、カベルネグラスはピノ・ノワールの敵なのだそうです(笑)。その理由は後述しますね。

まずはブルゴーニュのワイン、ジュヴレイ・シャンベルタン2013を題材に、テイスティングがスタートしました。

すべてのグラスをワインでリンスして注いだ後、それぞれのグラスから立ち上る香りを比較します。
リーデル氏は「香りを聴く」と表現されていました。ワインは味だけではなく、香りをふんだんに味わい、違いを感じることがとにかく大切だと分かる、美しい表現ですね。

香りというのは、空気中に立ち上っているアロマの分子が嗅覚センサーに付着することで感じられます。分子なので、香りの種類によって重さが違うため、重いものはグラスの下のほうに、軽いものは上に立ち昇ってきます。そのため、グラスをしっかり回して香りを感じることが大切なのだそうです。

さて、一つ一つのグラスから香りを「聴く」と、これほどまでに違うものかということにびっくりしました。

カベルネグラスはブルゴーニュ産のピノ・ノワールの持つ、繊細な果実味を感じることが難しく、ガツンとスパイシーな匂いとアルコールが鼻に付きます。ピノ・ノワールのポテンシャルを感じることが全くできず、ワインを台無しにしてしまっています。そういう意味で、これは確かに「敵」ですね。

実際の味も、カベルネグラスで飲むと、果実味とミネラル感を感じることが難しく、非常に厳しいタンニンと酸だけが残ってしまうので、ポテンシャルを殺してしまっています。

残り4つのグラスはすべてピノ・ノワール用のグラスですが、その違いも非常に面白かったです。
一つ一つ詳しく書いていくと、長くなってしまうので割愛しますが、例えば①のニューワールドのグラスも、果実味とミネラルが控えめで、酸とタンニンが強く感じられ、後味に苦味も残って感じられました。

それに対し、③の最もベーシックなピノ・ノワールグラスで飲むと、チェリーのような果実味をふんだんに感じ、その中にあるほのかな甘さまでくっきりと表現されていることが分かりました。ミネラル、酸、果実味すべてのバランスがよく、①や⑤との違いに驚嘆しました。

ちなみに、ピノ・ノワールのテイスティングに関しては、果実味、酸、ミネラル、苦味、この4種類のバランスがどうかが、違いを見分けるポイントだと話されていました。

続いてオレゴンのワイン、オレゴン
ピノ・ノワール2014。こちらは先のブルゴーニュのワインと同じ作り手が、オレゴンの地で作っているピノ・ノワールです。おそらくブドウのクローンも同じはずなので、違うのは土壌のみ。

オレゴンとブルゴーニュは、ほぼ同じ緯度なので、気候もかなり似ていますが、オレゴンの方が日照時間が長いそうです。そのため、できるワインのアルコール度数も高め。そして、オレゴンは近くに松がたくさん植えられているため、松の香りが混じるのも特徴なのだとか。

先ほどのブルゴーニュで一番美味しくいただけた③のグラスで飲んでみると、アルコールの強さが引き立ってしまい、香りが散らばって、美しい果実味、フルーティーさが失われてしまいました。

しかし、①のニューワールドのグラスで飲んでみると、全く別のワインといえるほどに豊かな果実味、チェリーの輪郭がハッキリ際立ち、フローラルなお花のような香りもやわらかく香ります。そして、ミネラルも酸も美しいバランスとなり、最大限にワインのポテンシャルを引き出すことができたように感じました。

最後に、ニュージーランドのワイン、マトゥアのランド・アンド・レジェンド・ピノ・ノワール2015です。

セントラル・オタゴは独特の土壌と、日中の寒暖差と季節間の寒暖差が非常に大きいという、厳しい気候を持つ地域です。そのため果実味と繊細な酸味を両立することができ、素晴らしいピノ・ノワールを作ることができる地域だ、と案内されました。今回の3本の中では、最もアルコール度数が高いのも特徴です。

先ほどのオレゴンのワインで最もポテンシャルを引き出せた、①のニューワールドのグラスでのテイスティングは、アルコールがちょっと強く感じ、ワインが締まってしまい、果実味が開かない感じがありました。そして、ずっと舌の奥のほうに刺激を感じ、まろやかさに欠けました。

それに対して、②のセントラル・オタゴグラスでテイスティングしてみると、果実味の豊かさ、リッチさ、そしてフルーティーな感じをふんだんに味わうことができ、ミネラルと酸のバランスも絶妙でした。①のグラスは舌の奥に刺激を感じたのが、このグラスでは、舌先でまろやかに味が変化していく様をくっきりと感じられました。

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このように、マジックかと思うほどにグラスによって味の変わってしまうワイン。

おそらく何も言われなかったら、本当は同じワインなのに、違うワインだと答えてしまったでしょう。それほどまでの違いを体験できたことが、非常に面白かったですし、大変勉強になりました。

尚、セントラル・オタゴグラスは、残念ながらレストランのみでしか購入することができません。

弊社がワインを卸している、渋谷・道玄坂にあるレストランEbizoでは、このグラスを使って、セントラル・オタゴのピノ・ノワールを飲むことができますので、良かったらお店で試してみてくださいね。

我妻

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