投稿日 : 2017.12.13 | 投稿者 : Kiwi Breeze
「ピノ・ノワールの会」ニュージーランドワイン会開催報告
こんにちは。
一昨日、私主催のワイン会を開催させていただきました。
毎回違うテーマで毎月開催させていただいているワイン会、今回のテーマは満を持してご用意させていただいた「ピノ・ノワール」です。
ニュージーランドのセントラル・オタゴは、世界三大ピノ・ノワールの産地として知られています。
その美味しさに感動したグラスメーカー“リーデル”の10代目は、セントラル・オタゴ専用のピノ・ノワールグラスを作らせたほどです。
今回はそのセントラル・オタゴのピノ・ノワールはもちろん、ニュージーランド各地から、6種類のピノ・ノワールを厳選し、それにあわせたお食事とともにご提供させていただきました。
乾杯の1本目は、シャーウッド・エステートの「ストラタム ピノ・ノワール2016」です。
シャーウッド・エステートはマールボロ地域の中で特にワイン生産に適しているとされる「ワイパラ・ヴァレー」に位置し、サステイナブルプログラムおよび有機栽培に取り組んでいるワイナリーです。
ニュージーランドのピノ・ノワールは、セントラル・オタゴ産だけでなく、マールボロ産も、再び注目されています。
先日の「エアーニュージーランド ワインアワード2017」でも、マールボロ産のピノ・ノワールが多く賞を受賞していました。
今回お出ししたワインには、残念ながら今年受賞したものはありませんが、それでも6本中3本は、マールボロ産をご用意させていただきました。
さて、こちらのピノ・ノワールは、美しい淡いルビーレッド色が特徴です。
非常にフレッシュで豊かなベリー果実のアロマが芳ばしく、口の中を果実味が優しく包み込みます。かすかにオークの香りが漂いますが、タンニンや酸は控えめで、非常に飲みやすいと思います。
フルーティーで綺麗な色のこのワインは、女性にとても好まれそうです。
そんなさわやかなピノ・ノワールにあわせたのは、「フレッシュグリーンサラダ」です。
ベリー系のほのかな甘みが、グリーンサラダの苦味と程よくマッチして、さっぱりと頂けたのではないかと思います。
続いて2本目は、ブラッケンブルックの「シャングリ・ラ ピノ・ノワール2015」。
ブラッケンブルックはニュージーランド南島の町ネルソンで、非常にアロマティックなワインを生産するワイナリーで、ブドウは全てサステイナブル(持続可能)な畑で大切に育てられています。
こちらは少しブラックを帯びたルビー色で、ベリー系のアロマに加え、プラムやチェリーなどの味わいも感じられます。
タンニンやスパイスも控え目で、こちらもストラタムと同じように柔らかで飲みやすいのが印象的です。
このワインに合わせたのが「きのことチキンのフリカッセ」。
フリカッセとは、バターでしっかりと玉ねぎを炒めながらも、白いソースで野菜とチキンを煮込むお料理です。
玉ねぎの甘さと鶏肉のジューシーな味わい、たっぷりとバターの香りをなじませたジャガイモが、ワインの持つベリー、プラム、チェリーなど黒い果実の味わいとバランスよくマッチしたのではないかと思います。
3本目はクーパーズ・クリークの「セントラル・オタゴ SV “RAZOR BACK”ピノ・ノワール2015」をお出ししました。
こちらを、リーデルのセントラル・オタゴ ピノ・ノワールグラスに注がせていただきました。
注いだ瞬間に立ち上る、ブラックベリー、プラムなどの濃厚な果実味が、期待感を高めます。
口に含むと、非常に繊細でシルクのような口触り、そこに豊かな果実味とセントラル・オタゴの土壌特有のミネラル分、長く続くタンニン、これらがどれもすべて複雑に絡み合います。
しかしながら強いパンチはなく、あくまで柔らかで、優美。まさにアロマティックなワインと言えるでしょう。
このワインは単体で楽しんでいただきたかったため、ちょっとしたおつまみとして、チョリソーをあわせていただきました。
こちらも辛すぎず、パンチが強すぎず、というものを選ばせていただきました。
4本目は「ジョージ・ミッシェル ゴールデンマイル ピノ・ノワール 2014」です。
ブルゴーニュのChateau de Grandmont
のオーナーであリ、醸造家であるジョージ・ミッシェルは、ニュージーランドのマールボロで、ピノ・ノワールの高いポテンシャルも見出し、1997年にジョージ・ミッシェル
エステートを設立しました。
こちらのピノ・ノワールは、まさにエレガントという表現がふさわしいワインだと感じます。ベリーの果実味、スミレの花のようなブーケの香り、チョコレートの風味など、たくさんのアロマが何層にも重なって感じられ、さらにベルベットのように本当になめらかなタンニンに包まれます。スパイス感も程よく、香りだけでずっと楽しめてしまうワインです。
柔らかでエレガント、そして伝統的なブルゴーニュの手法を引き継いでいるため、こちらのワインは、クーパーズ・クリークの対比として、ブルゴーニュのピノ・ノワールグラスに注がせていただきました。
お食事としてあわせたのは、「ほうれん草とスモークサーモンのクリームパスタ」です。
スモークのしっかり効いたサーモンとあわせましたので、ワインとの相性もよかったのではないかと思います。
5本目は、「クラウディーベイピノ・ノワール2014」。
クラウディーベイは、ニュージーランドワインを世界に広めた立役者のひとつとなった、代表的なワイナリーです。ソーヴィニヨン・ブランが有名なクラウディーベイですが、ピノ・ノワールも非常に素晴らしいポテンシャルを持っています。
薔薇やスミレ、熟したベリーからダークチェリーやプラムなど奥行きのある様々な香りが感じられます。その上でしっかりとした骨格を持ち、オークとハーブの香りがさらに複雑味を加え、しっかりとしたタンニンとスパイス感で、長く余韻が続きます。
こちらとあわせたのが、「牛ほほ肉の赤ワイン煮込み」です。
じっくりと煮込みました赤ワインも、もちろんピノ・ノワールを使いました。クラウディーベイの持つスパイス感が、少し優しく味付けさせていただいたこちらのお料理と良く合ったかと思います。
フィニッシュとしてお出ししたのが、「プロフェッツ・ロック Home Vineyard ピノ・ノワール2014」です。
セントラル・オタゴで唯一無二のワインを造るため1999年に創業したプロフェッツ・ロックは、いまや世界的なレストランにとって欠かすことのできないワインとなっています。世界中の有名なレストランが多く採用しているからです。
ラズベリーやチェリーの豊かな香りとスパイシーなアロマが感じられます。芳醇なアロマはシルクのように滑らかなタンニンと、バランスのとれた酸味とともに口の中で絶妙に調和され、そして長い余韻が続きます。
しっかりとしたインパクトがありながらも、重すぎず、繊細、豊かに湧き上がる複雑なアロマの数々。グラスを回しながら、ゆっくりと楽しむ。その時間がとても贅沢に思える、スペシャルなワインだと思います。
こちらにあわせたのが、「ラムチョップのステーキ マスタード添え」です。
プロフェッツ・ロックはしっかりとした味わいがあるため、ラムもレア目に焼かせていただきました。ラムのやわらかさ、香りが残るほうが、こちらのピノ・ノワールによく合うからです。
6本全く違う表情を持つこと、ピノ・ノワールというワインの幅広さに、皆さんとても驚いていらっしゃいました。
最後に参加者の皆様で集合写真を撮影。
今回は珍しく男性の多い会となりました。
(写真を撮ってくださっているのは女性です。全員男の方が面白いということで、その方に撮ってもらいました笑)
皆さん静かに、自分の中にかみ締めるように一つ一つのワインを味わっていらっしゃるのが印象的でした。
さて、今回で今年のワインイベントは一旦終了です。
来年もまた、特徴的で面白いワイン会、企画を作って行きたいと思います。
ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました!
我妻
タグ : セントラルオタゴ, ニュージーランドワイン, ピノ・ノワール, リーデル