投稿日 : 2018.3.9 | 投稿者 : Kiwi Breeze
プロフェッツ・ロックのテイスティングセミナーに参加してきました
こんばんは。
先日ニュージーランド、セントラル・オタゴにあるプロフェッツ・ロックの醸造長、ポール・プジョル氏によるテイスティングセミナーに参加してきました。
彼はブドウに対して肥料は一切使わない、自然酵母のみで発酵させる、自然ろ過をする、伝統的なフランス・アルザススタイルを踏襲するなど、非常に強いこだわりと哲学を持ってワインを造っています。
その結果もあり、世界トップワイン評論家であるジャンシス・ロビンソン氏から「世界を牽引するワインメーカー5人のうちの1人」と評されています。
ポールさんの一貫したワイン作りは、全てのワインに深く浸透しており、そのどれもがすばらしいのですが、今回はセミナーで出されたワインの中から3つに絞ってレポートさせていただきたいと思います。
まず1つ目は、「キュヴェ・オー・アンティポード2015」です。
こちらは、ブルゴーニュのシャンポール・ミュジニィの醸造責任者であるフランソワ・ミエ氏とポール氏が共同で作ったワインです。
フランソワさんがフランス以外で作った初めてのワインということで世界的に注目されていたワインです。
伝統的な製法をニュージーランドに持ち込み、時間と手間隙を掛けて作られたこちらのワイン、非常に繊細でシルキーな飲み口で、セントラルオタゴのパワフルさを抑えた、非常にエレガントなワインでした。主張しすぎず、しかし存在感があり、やさしい飲み口で、ゆったりと静かに飲みたいワインです。
現在でも本当にすばらしいワインではあるのですが、ポールさんいわく、最低10年のポテンシャルがあるということで、これからエイジングして行った際の味の変化が非常に楽しみなワインでもあります。
私も1本手元にあり、今回ポールさんにサインしてもらったので、セラーでゆっくり寝かせて熟成させたいなと思っています。
続いて2本目は、「レトロスペクト ピノ・ノワール2012」です。
こちらはこの2012から作り始めた最初のヴィンテージで、ホームヴィンヤードが持つポテンシャルを最大限に引き出すために、ゆっくりと時間を掛けて熟成された、わずか720本しかない大変貴重なワインです。
ポールさんいわく、「時間経過による熟成の恩恵だけで作られたワイン」とのことで、時間の重みをじっくりと味わいながらテイスティングさせていただきました。
通常のホームヴィンヤード2014と比べて、大変まろやかで、プラムやベリー、チェリーなどの果実味が非常にふくよかに深みを増しています。タンニンやスパイスも角が取れ、その円熟味がなんともいえず、至福な味わいを感じさせてくれました。
これは本当にゆっくりと時間を掛けて飲みたいワインだなと思いました。
こちらも更なるヴィンテージのポテンシャルがあるということなので、今これを手に入れて、セラーで保管していたら、きっと伝説のワインになることでしょう。
明日以降楽天ブリーズオンラインショップでも取扱いをスタートします!
そして最後に「ヴィン・デ・パイル2016」が紹介されました。
こちらはプロフェッツ・ロック初のデザートワインで、ポールさんがずっと作りたかった夢のワインのひとつなのだそうです。しかも、ピノグリで作られたデザートワイン。
作られている畑の区画は異なりますが、収穫時期も通常のピノグリと一緒で、その後の製法のみが異なる形で熟成されて、ボトリングされています。
これまたすばらしいワインという一言に尽きます。
すばらしく複雑な味わい、デリケートで繊細ながらも、しっかりとした酸も立っており、まさに「やさしく高貴な紳士的ワイン」と言えるのではないでしょうか。
お食事の最後に、それまでの雰囲気を壊すことなく、最後を彩ってくれて、至福な時間を作ってくれる、そんなワインになりそうです。
今回、改めてプロフェッツ・ロックの魅力とすばらしさ、ポテンシャルを感じました。
たくさんの質問をさせていただきましたが、丁寧にお答えいただいたポールさんのお人柄とワインメイキングに対する哲学に、改めて魅了された一日となりました。
我妻
タグ : セントラル・オタゴ, ニュージーランドワイン, プロフェッツ・ロック