3月22日(水)にアーロン・スミスとボーデン・バレットのトヨタヴェルブリッツ入団記者会見がオンラインで行われました。
この模様は、トヨタヴェルブリッツのファンクラブレギュラー会員にもYouTubeで生配信されました。
以下、各選手のコメントです。
◇アーロン・スミス
こんにちは。来季からの機会をとても楽しみにしています。また、姫野和樹とチームメイトとして再会や、家族での来日、ラグビーに関しては速いテンポのラグビー、そして日本文化含めて楽しみにしています。
◇ボーデン・バレット
おはようございます。来季からの合流をとても楽しみにしています。日本に来ることは初めてではないので、家族とこの機会を本当に楽しみにしていますし、コロナ禍ではないことで以前よりも外に出られてたくさんの経験ができると思います。それ以外の点に関しても、ディレクター オブ ラグビーであるスティーブ、そしてベン率いるトヨタのチームにアーロンと共に合流できることを心待ちにしています。
次に、事前に募集した質問に回答しました。
Q. ワールドカップ後の拠点として日本を選んだ理由は
A.
(アーロン・スミス)
まず、プレイヤーとしてリーグワンでプレーできることを楽しみにしています。今の自分のキャリアにおいて、ニュージーランドから環境の変化という点でチャレンジだと思っています。来日の理由としては、スティーブとの関係性も非常に大きいです。また、日本での経験もあるボーデンとは家族、子供も年齢が近いので交流があります。
そしてベン、マネジメントチーム、選手たちに合流するのを楽しみにしています。現在、スティーブが勝つ文化というのをチームの中で牽引しているので、その一員になれることを心待ちにしています。
(ボーデン・バレット)
来日の理由は、アーロンと似ています。その中でも家族が大きな理由としてあります。以前日本に来た時もすごく良い時間を過ごすことができましたが、その時の状況もあり、あまり楽しむことができなかったので、また戻ってきたいと思っていたところでした。もちろんトヨタにいるメンバーがいなければ今回の決断には至らなかったと思います。スティーブ自身からもチームの中の話をたくさん聞き、彼から説得されてすごく良い環境があると聞きました。今彼が推し進めている勝つ文化の一員になれること、そして自分が前向きな影響を与えられることを楽しみにしています。
Q. 数あるリーグワンのチームの中からトヨタヴェルブリッツを選んだ理由は
A.
(アーロン・スミス)
自分としては、スティーブ・ハンセンの存在が大きいです。それ以外の点では、契約の時からボーデンと話をしていて、それが実現して一緒にプレーすることができるのが嬉しいです。彼はワールドクラスの選手であって、以前から同時に試合に出場してきたので、こうやってこのような機会に共に挑戦できることを嬉しく思います。また、ベン・ヘリングヘッドコーチはハイランダーズの時から知っていて、彼のプレースタイルが好きです。今後、クラブと歴史を作ってタイトルを獲りたいと思っているのが理由です。
(ボーデン・バレット)
理由はアーロンと似ていますが、ディレクター・オブ・ラグビーであるスティーブ・ハンセン、ベン・ヘリングヘッドコーチやトレーナーなど、その環境にいる人々についてスティーブ自身からたくさん説得されました。以前サントリーでプレーしていましたので、クラブを変えるというのは大きな決断でしたが、今回は「人」が大きな理由となりました。
ここからは、メディアからの質疑応答です。
Q. (アーロン・スミスへ)日本でプレーするのは初めてですが、日本のラグビーについては把握していますか
A. 日本のラグビーを見て感じるのを非常に楽しみにしています。日本のラグビーは非常にハイスキルで、ワールドクラスの選手が他のチームにもたくさん集まっているので、世界のベストと対戦できることを楽しみにしています。またスーパーラグビーや代表レベルの試合よりもスピードの速いスタイルは自分に合っていると感じています。速いテンポ、そして周りを使うことに関しては、フィジカルの準備がチャレンジとして伴うと思っています。ハイスキル、そのスピード感に順応するのに少し時間がかかるかもしれませんが、コーチ・マネジメントと準備をしていくのを楽しみにしています。
Q. (アーロン・スミスへ)スティーブ・ハンセンが大きな理由としてあると話していましたが、元チームメイトである田中史朗についてはどうですか
A. スティーブ・ハンセンがいるというのは、大きな理由でもあります。自分自身のキャリアにおいて、彼は大きな影響を与えた人物であり、彼との信頼関係もあります。それ以外には、対戦したい相手がいるということです。それは、ファフ・デクラーク(横浜キヤノンイーグルス)や田中史朗(NECグリーンロケッツ東葛)です。同時に姫野和樹と共にプレーできることを楽しみにしています。彼は良い選手で、ツアーでも良いプレーを見せてくれています。ハイランダーズて共にプレーした経験があり、彼がダニーデンに来た時は自分がさまざまなところに連れて行ったりしたので、今度は逆で日本の環境に順応する上で、彼にいろいろな場所に連れて行ってもらう機会を家族、そして自分も心待ちにしています。
Q. ワールドカップ後のオールブラックスでのキャリアについて
A.
(ボーデン・バレット)
たくさん考えるべきことがあると感じています。今31歳で、これからの人生は長いと考えています。日本でのプレーは、自分自身、そして家族、あとはラグビーワールドカップ後のメンタルをフレッシュにするためです。違う環境での経験として、家族で来日できることを楽しみにしていますし、違う環境でのプレーもその1つです。ヨーロッパのリーグでは他の国やクラブと対戦する機会がありますが、ニュージーランドでは外のチームとプレーする機会があまりありません。以前サントリーでプレーし、自分にとって良い経験になりました。まだ今後について考えることはたくさんありますが、キャリアは長いと感じています。
(アーロン・スミス)
自分はボーデンよりも年齢が上で34歳です。ですがリーグワンとしての経験はたくさん学べると感じています。スピード、スキル、違う選手、違う環境でプレーすることを楽しみにしています。今後のオールブラックスの活動に関しては自分はコントロール外であると思っています。海外でプレーするということがセレクションにどういった影響を与えるのかは理解しているので、2023年ベストを尽くすということしか自分にはできないと思います。新しいチャレンジに関してはとても楽しみにしています。トロフィー、タイトルを追いかけることが大きなモチベーションの要因であり、その件に関してベン、スティーブとも話し込んでいることなので、すごく楽しみです。
Q. オールブラックスがスコット・ロバートソンヘッドコーチの次期就任を発表しましたが、それについてコメントは
A.
(ボーデン・バレット)
ラグビー界にとって非常に大きなニュースであったと思います。ジェイミー、スコットともにとても良いコーチです。スコット・ロバートソンはニュージーランドでクルセイダーズでの素晴らしい経験を持っていますし、今回の件はニュージーランド国内にいる他のコーチにとっても非常に良いニュースであると思います。また、イアン・フォスターに関しては、我々は彼を信じていますし、国自体も彼をサポートしていると思います。選手としては、あまりラグビー内での政治的なことについては考えすぎないようにしています。アーロンと同様で、まずはスーパーラグビーで良いプレーをすること、そこに集中の重を置いています。その結果、最終的にフランス行きの飛行機に乗れていたらいいなと思います。
(アーロン・スミス)
今回の件に関しては、ニュージーランド国内でも非常に大きいニュースでした。2人のコーチともにとても良い候補者であったと思います。スコット・ロバートソンはすごく良いコーチで、クルセイダーズでも勝つ文化を作った人です。ジェイミー・ジョセフもすごく良いコーチなので、どちらの候補者になったとしてもニュージーランドのラグビーは良い状態であると思います。
オールブラックスの件に関してはまだ8ヶ月先のことなので、まずは目の前のことに集中しつつ、イアン・フォスターについては、今後の2024年からのキャリアを個人的に応援したいと思っています。
Q. ヴェルブリッツのラグビーについて首脳陣からどう聞いているか、またどうアジャストしていきたいか
A.
(ボーデン・バレット)
すごく良い質問だと思います。トヨタヴェルブリッツは以前対戦した時に非常に接戦な試合で、フィジカルでセットピースに強い印象がありました。ベン、スティーブとも話していますが、自分自身、そしてアーロンとのフォーカスとしては、どういうフェーズプレイアタックを作るか、そしてディフェンスをするか、ストライカーアタックに関してクリエイティビティを持てるかという点だと思っています。こういうことに関して、コーチ陣、選手と連携して行っていきたいと思っています。
(アーロン・スミス)
ボーデンと一緒で、コーチ陣と連携してチームのアタック、ディフェンスを理解していきたいと思っています。そしてスクラムハーフとして、選手個人の強み・弱みを理解した上で、強みであるランラインやキャリーに関しては良いチャンスを作りたいと思っています。姫野やボーデンと良い関係にあるので、FWのキャリーの強み、スキルを活かしたプレーをしていきたいです。自分のスタイルとしては、周囲を活かしたプレーなのでそれに取り組んでいきたいと思います。
Q. 現在サバティカルで多くの外国人選手が日本でプレーしていますが、2人はトヨタヴェルブリッツにいる間にチームにどのようなことを残したいと考えているか
A.
(アーロン・スミス)
チームとして年配のアスリートになるので、来た時よりも良い状態でチームを去りたいと思っています。若いスクラムハーフの選手の育成ももちろんですが、チームの勝つ文化を作る上で、自分の日々の行動、準備、トレーニング、ジム、フィールド、リカバリーなどにおける規律の部分でプロとして良い基準というのをチームに示していきたいです。
(ボーデン・バレット)
理由としてはアーロンと一緒で、周囲の選手をよりベターな状態にすることです。それはアーロン自身がそれが得意であり、自分も彼から影響を受けた経験があります。また、以前サントリーにいた際にはコロナ禍で経験できなかったことがたくさんありました。特にソーシャルな機会が限られていました。なので今回はより日本の文化を知ること、皆と食事を取ったり飲んだりして、人として選手のことをより理解するのを心待ちにしています。ラグビーにおいて、フィールド外でのコミニュケーションは非常に大切だと思っています。
Q. トヨタヴェルブリッツはベスト4より上にいけない時代が長く続いています。2人にとって勝つ文化というのは
A.
(ボーデン・バレット)
すでにそういった習慣というのは始まっていると思います。良い習慣をつけること、規律を保つこと、そして良い人であること、これを繰り返すことで一貫性のある良い環境が作られ、楽しくラグビーができると思います。オールブラックスにいる時もそうでしたが、正直な環境でありながらハードワークが成功に繋がり、そして信頼関係もあるというようなそういったキーポイントとなるような部分が浸透しているので、それに個人として今後影響が与えていけたらいいと思いました。
(アーロン・スミス)
ボーデンと同じコーチの下にいたので、考え方は同様です。来てから良い影響を与えられればと思っています。その中でも、バランスが鍵になります。パフォーマンスにおいては、フィールドでの信頼関係、メンタルのタフネス、フィールド内外でのコネクション、そしてラグビーを楽しむことだと思っています。まずチームファーストとして、全員が毎回全力を尽くせば良い結果がついてくると思いますし、そういった環境が整っていれば、結果がついてこなかったとしてもすぐ立ち上がれるチームになると思います。そういったことを意識しながらも、正直な会話、時にはタフな会話ができるような環境作りを行っていきたいと思っています。
Q. オールブラックスの選手は皆日本に来るとSNSでラーメンの写真を投稿していますが、日本のラーメンは魅力的なのですか
A.
(ボーデン・バレット)
たくさん食べてしまうと栄養士に怒られてしまうのですが、週に1~2食なら大丈夫だと思います。特に豚骨のラーメンが好きで、楽しみにしています。
(アーロン・スミス)
良い豚骨ラーメンを探していきたいと思っていますし、肉・玉子を増やすことも楽しみにしています。ただそれと同時にフィットネスが大事なので、自分は週1回にしたいと思います。日本は食べ物もワールドクラスで、自分自身も食事が好きでラーメンが1番です。
Q. (アーロン・スミスへ)ボーデンから日本で過ごした時間についてどのように聞いて、日本でのプレーについてどう意欲を感じましたか
A. 他のプレイヤーとも日本でのプレーについて話していますが、ボーデンは前回コロナ禍で経験に限りがあったように思います。ただラグビーの点においては、人や施設、環境面など経験のあるボーデンと同じクラブに行くことができるのを楽しみにしています。
約1時間の会見で、それぞれ質問に真摯に答えてくれていました。
トヨタヴェルブリッツへの入団ももちろん楽しみですが、まずは今シーズン2人がベストを尽くして活躍する姿を見れることを期待しています!
金沢
タグ : アーロン・スミス, トヨタヴェルブリッツ, ボーデン・バレット