投稿日 : 2025.7.1 | 投稿者 : Kiwi Breeze | パーマリンク
リポビタンDチャレンジカップ2025 JAPAN XV vsマオリ・オールブラックス レポート
6月28日(土)に秩父宮ラグビー場で行われた、リポビタンDチャレンジカップ2025 JAPAN XV vsマオリ・オールブラックス を取材してきました。
チームは24日(火)に発表され、25日(水)の夕方に成田空港に到着。
弾丸スケジュールの中、ツアー1戦目を迎えました。
キウイブリーズが注目するのは、
ハイランダーズのテカマカ・ハウデン
ジョナ・ロウ
昨年に引き続き来日した二コラ・ブロートンはメンバー外でした。
ウォーミングアップ中はメンバーと一緒に参加してましたが、膝にテーピングをしっかりしていたので、コンディションが万全ではなさそうでした。
試合には、
NECグリーンロケッツ東葛のパリパリ ・パーキンソン
三重パールズのサラ・ヒリニ
元オールブラックスのダン・カーター、リッチー・マコウ
元オールブラックスでクボタスピアーズ船橋・東京でもプレーしたデイン・コールズ、そしてニュージーランド大使館のヘイミッシュ・ネヴィル・フランシス・クーパー特命全権大使の姿も見られました。
試合前にはテ・ティマタンガというマオリ独自のハカが披露されました。
JAPAN XVは一列にハカを見ていました。
前半9分マオリ・オールブラックスのディフェンスミスをうまく突いて一気にトライまで持っていきました。
前半20分にペナルティゴールも決め、JAPAN XVがリードを広げます。
前半23分ラインアウトから中央にディフェンスが集まっていたところに、大外へボールを回してコール・フォーブスがトライ
さらに28分に左サイドでボールを受けたジョナ・ロウがディフェンスを引きつけ、最後はギデオン・ランプリング
オフロードパスを繋ぎながら、素晴らしいトライでした!
これで同点に追いつきました。
32分ラインアウトからモールを組み、ボールをキープして大外にいた植田が2本目のトライを決めました。
35分にはスクラムからマオリ・オールブラックスのキャプテン カート・エクランドが押し込んでトライ
前半は17-15でJAPAN XVがリードして折り返します。
取って取られてのシーソーゲームではありますが、取られてすぐ取り返しているためマオリ・オールブラックスのメンタルは良いはずです。
後半に入り、マオリ・オールブラックスは3分にラクラン・マックワンネルのトライで逆転すると、後半だけで合計6本のトライを奪うなど完全に主導権を握りました。
フィジカルの強さはもちろんですが、反応が早いのでチャンスをきちんとものにしていました。
チームの精度が試合の中でどんどん良くなっているのがわかりました。
テカマカ・ハウデンは後半24分に交代しました。
マオリ・オールブラックスはニュージーランドと真逆の気候に苦しみ後半バテてしまう可能性もあるかと思っていましたが、JAPAN XV のパターンを読み解いて理解し、日本に合わせてきていました。一人一人のスキルの高さはもちろんのこと、その順応力はすごいなと思いました。
逆にJAPAN XVは前半は良かったものの、後半はディフェンスで消耗が大きかったように感じました。一対一で止めきれなかったり、疲れから判断やカバーが遅れたのは今後の課題かと思います。
あとはレフリーのジャッジについても少し触れたいと思います。
リーグワンの取材の際にも何度も書いていますが、日本人のレフリーは正確性を求めて細かく笛を吹いて止めてTMOをする傾向があります。しかしこの試合では外国人のレフリーでほとんど止めずに流していて、試合のテンポはすごい良かったです。
ただJAPAN XVとしてはリーグワンの時のように止まっている間にマインドリセットできなかった可能性はあります。ですが世界で戦うためにはこれに慣れないといけないと思っています。
観客数は、19,792人でした!
試合は、53-20でマオリ・オールブラックスが勝利しました。
試合後、ハイランダーズ組で写真を撮らせてもらいました!
試合後の記者会見の模様を一部お届けします。
マオリ・オールブラックス ロジャー・ランドル アシスタントコーチ
「今回準備に時間が限られた中で来日してきました。先週スーパーラグビーが終わったばかりで、月曜の夜にシューティング(撮影)をし、そこから短いセッションでマオリの文化を再認識する時間を設けながら水曜に来日しました。木と金に練習し、この試合に臨んだところです。試合に関しては勢いに乗るまでは少し時間がかかりましたが、徐々にボールを保持しながらパスを回して点に繋がったと感じています」
カート・エクランド キャプテン
「こんにちは。コーチからも話がありましたが、短い期間の中で準備してきて、まずチームメイトを誇りに思っています。序盤は歯がゆい場面があり、そこから我々のコンビネーションを再認識しながら徐々にかみ合ってきて、それが自信につながっていったと思います」
Q. JAPAN XVのアタックを崩していったが、どう修正したか
A. (カート・エクランド キャプテン)
わたしが何かをしたというよりは、皆のマオリの血が騒いだのではないでしょうか。皆スキルが豊富で反射神経に長じているので、いつもやっていることが表現できた。マオリだからこそというところもありますが、皆揃ってできたと思います。
Q. 半分くらいは去年と同じメンバーだが、JAPAN XVがやってくることはある程度想像できていたか
A. (カート・エクランド キャプテン)
昨年から再来日したメンバーが多かった中で、我々の中では不完全燃焼の部分が正直あったので、自分たちのトレーニングに誇りを持ちながらプレーをしていこうと話し、実現できた。これからもマオリと日本との関係性が続くことによって、このような試合ができることを期待しています。
Q. 去年も対戦して日本の印象の違いは
A. (カート・エクランド キャプテン)
今回に関しては、皆本当に集中できたと感じています。去年は割と油断していた部分があって、2戦目の敗戦につながってしまった。今回は日本がどうこういうよりかは、我々がしっかり準備ができた。皆がフォーカスできて勝利につながったと思います。
続いて、JAPAN XV
ニール・ハットリー HC代行
「今日の結果はがっかりしていますが、良いところもたくさんあったと思っています。リーグワンのレベルで経験してきた選手にとっては1個上のレベルでプレーする大きな学びだったので、今回よかった点を来週に向けて活かしていきたいと話しました」
Q. ディフェンスについて
A. (下川甲嗣キャプテン)
特に後半40分一貫性に欠いて相手にチャンスを与えてしまった。タックルの精度だったり、マオリ・オールブラックスのようなスキルのある選手はボールをフリーにしてしまうと止められなかった。そこで後手に回るところがあった。今日の試合で感じられたことを次につなげていくことが大事。
一貫性を欠いてしまったのは、相手もアタックを修正してきたし、自分たちも疲労が溜まってくる中でシステム通り動けなかったり、アタックの精度、フィジカリティのところで受け身になってしまった。いいサイクルを生み出せなかったところが後半相手にスコアを重ねさせてしまった。
Q. いいところとは具体的に
A. (ニール・ハットリー HC代行)
ポジティブだった点は、セットピースが良かったところがありました。スクラムも良かったところがありましたし、ラインアウトからのセットピースは良かった瞬間がたくさんありました。ディフェンスに関しては、特に江良颯、下川甲嗣のすごく良いタックルからのターンオーバーが何度かありました。
ただ(下川)甲嗣が言っていたように一貫性に欠けてしまったというのはあったと思います。若い選手で初めてこの舞台でプレーする選手が多い中で、大きな学びだったと思います。植田和磨も良いパフォーマンスをしていました。月曜からまた選手たちと仕事をするのを楽しみにしています。
Q. キャプテンとして今日の評価は
A. (下川甲嗣キャプテン)
勝つための入りを大事にしようと話していた。前半30分はできたので、そこはポジティブ。
80分経った時のスコアはあそこまで差が開いてしまったのは自分たちの実力の差を実感した。反省もあるけどよかったところもあるのでこれをいかに繋げていくか。来週誰がメンバーになっても次にウェールズと戦うためにつなげていきたい。
マオリ・オールブラックスは秩父宮ラグビー場を出た後はチーム皆で新橋に飲みに行ったみたいです。
短い滞在でしたが、少しでも日本を楽しんでくれていたならいいなと思います。
次のスコットランド戦も頑張ってほしいです!
ではでは
熊木
タグ : JAPAN XV, ジョナ・ロウ, テカマカ・ハウデン, ハイランダーズ, マオリ・オールブラックス, 二コラ・ブロートン