『優れた作品作りに必要なのは「革新」と「創造力」』
リチャード・テイラー
Richard Taylor
1993年、パートナーのタニア・ロジャーと共に『Weta』を立ち上げ、現在も運営に携わっている。
『Weta』は映像の特殊効果の分野で世界的に有名なスタジオで「ロード・オブ・ザ・リング」「キング・コング」「ナルニア国物語」「Daybreakers」「第9地区」「アバター」などの大作映画の製作にかかわり、アカデミー賞も受賞している。
また、テレビシリーズ『Hercules』や『Xena』などでは、精巧なミニチュアや人形の製作を担当した。
自身はこれまで5つのアカデミー賞と4つの英国アカデミー賞を受賞。 その他にも様々な賞を受賞している。
この他に、マーティン・ベイントンと共同で所有するプロダクション『Pukeko Pictures』にて、「Jane and the Dragon」や就学前児童を対象にした「The WotWots」などのテレビシリーズを製作し、高い評価を得ている。
- 経歴について
25年ほど前から作品作りを始めました。
最初は、本当に小さな部屋で、マーガリンで模型を作ることから始めて・・・夏は溶けてべとべとになって大変だったな(笑)
そういう物を使ってホラー映画なんかを作っていたんだけど、その時飛び散る血を、スーパーや自宅のキッチンで手に入れられるような・・・たとえばフルーツとか・・・そんな物でいかにリアルに見せるか、知恵を絞って作っていましたね。
その後いくつもの大作を作り上げ、様々な賞をいただいてきましたが、今でもその時のやり方とほとんど変わっていません。どれだけCGの技術が進歩したと言っても、「創造力」に勝るものはないんです。- NZおススメスポット
Wetaのあるウェリントンですね。
サウス・オークランドで育ったんですが、27年ほど前にウェリントンに戻ったんです。- NZおススメFood
妻の作る手料理が一番!!笑
あとは、ローストチキンが最高だね。
ニュージーランドに来たら、是非様々な肉料理を食べてみて欲しいです。- 日本について
日本は・・・とてもダイナミックで、クリエイティヴな国だと思いますね。
特に、日本の漫画やアニメは世界的に見てもとてもレベルが高く、優れた作品がたくさんあると思います。- 日本を3つの単語で表すとするなら
dynamic(動的なさま、力強く生き生きと躍動するさま)
vibrant(生き生きとした、活気がある、活気に満ちた)
culture(文化、芸術)- 来日経験は?
8年前に来たことがあります。
それ以来なんで、とても久しぶりですね。- 将来の夢や目標について
僕の仕事は、様々な作品の中で視覚的に「リアル」な世界を作り出すことなんですが、そのための技術はここ十数年で飛躍的に進歩しています。
しかし、それらを使うには莫大な費用がかかるんです。これから作品作りをしようとする若者は、きっとお金がないことで壁にぶちあたり、諦めてしまう人もいるでしょう。
でも、最新の技術だけに頼るのではなく、昔ながらのアナログな手法を大事にすれば、お金をかけずとも必ず素晴らしい作品を作り出すことができます!
僕がそうしてきたように、身近にある物からCGに負けない効果を生み出す「創造力」と、こうでなければならないという考えを捨てて「革新」を起こす勇気を持ってチャレンジして欲しいですね。
僕も、これからも大いに工夫して、子供たちや大人にも夢を与えられる作品作りをしていこうと思っています。
それから、具体的な夢としては・・・僕の手がけたアニメを日本でも放映できるように、配給会社を見つけられたいいですね。- 日本のファンへのメッセージ